滋賀県医師協同組合 Shiga Medical Cooperative Association

滋賀県医師協同組合は、滋賀県の開業医のための組合です。

 

最近、個人所得に対する増税、課税強化が話題になっていますが、これはどのような内容なのでしょうか?分かりやすくご説明下さい。ちなみに、わたしは現在、個人で診療所を開設しておりますが、近々、法人成りして一人医師医療法人を設立しようと考えております。
 
政府税調(税制調査会)が発表した個人所得に対する課税強化について取り上げていきたいと思います。ただ、その前に今回改正の対象として取り上げられている項目について、それらが具体的に現在どのようなもので、今後どのように改正されようとしているのか?からお話ししていきたいと思います。
趣旨 論点
消費税の関係    

趣旨
今回、政府税調が発表した個人所得の課税強化については、あくまで現行所得税課税の問題点の指摘と今後の見直しとして提言されたものにすぎず、すぐにどうこうというようなものではありません。

しかし、今回の提言の背景には、わが国の財政悪化が影響しており、それが今後、少子高齢化が進み、一層の財政難が見込まれることを考えると、まったく起こりえないものとも言い切れません。

論点
今回税調で取り上げられた項目は多岐にわたりますが、本シリーズにおいては、以下、主だったものを取り上げてご説明していきたいと思います。その際、単なる個々の論点の解説だけでなく、また、税金のみに囚われず、関連のある事項についてもどんどん踏み込んで言及していきたいと思います。
所得の種類と課税方法の見直し
ご存知のとおり、所得税は給与所得や配当所得といった10種類の所得からなり、各々その課税方法が定められておりますが、以下の所得について、所得の統廃合や課税方法の見直しが提言されています(詳細については後述)。

 ①給与所得・・・(論点)給与所得控除の見直し
 ②退職所得・・・(論点)所得の算出方法の見直し
 ③事業所得・・・(論点)適正な記帳に基づく必要経費の認定
 ④譲渡所得・・・(論点)損益通算および所得の算出方法の見直し
 ⑤不動産所得・・(論点)他の所得に統合
 ⑥一時所得・・・(論点)雑所得に統合
 ⑦雑所得・・・・(論点)公的年金等について新たな所得区分の創設等
所得控除の見直し
所得控除については、すでに平成16年において配偶者特別控除が廃止(厳密には、配偶者控除と配偶者特別控除のダブル適用が禁止)され、さらに平成17年には老年者控除が廃止されることになっています(注1)。
それがさらに、今回、下記の所得控除について廃止または見直しが提言されています。

 ①配偶者控除・・・(論点)廃止も視野に入れた縮小
 ②扶養控除・・・・(論点)特定扶養親族に対する割増の控除額の見直し等

その他、上記②の見直しに関連して急速な少子化を税制から支援するため、従来までの所得控除による支援策から直接的な税額控除方式による支援策が提言されています。

(注1)これらの詳細につきましては、拙稿「医協ニュース」のバックナンバーをご参照下さい。

消費税の関係
税調は、個人所得に対する課税が不公平であるとして、上記のような論点を提起しているのですが、ただ見方を変えれば、不公平感のある今回の案に対し、同じ増税でも不公平感の少ない消費税の増税に結論をすり替えるために今回の論点を提起したのではないかという意見もあります。事の真意はともかく、現時点では単なる論点整理ということですから、あまり神経質になって考えるのではなく、対象となっている内容を把握した上で今後の対応を見守ることが肝要だと思われます。

上記の他、すでにご存知の方も多いと思いますが、高額納税者の公示制度について本年4月からの個人情報保護法施行の影響で廃止を検討すべきとの意見が出されています。こちらについては犯罪の温床にもなりかねませんので、早期に実施されることを期待します。
このページのトップへ
Copyright (c) 2006 Shiga Medical Cooperative Association All Rights Reserved.